朝日新聞に見る”女尊男卑”

昨日、朝日新聞の「オピニオン&フォーラム 論の芽」というコーナーで「夏休みの短縮、必要?」という問題提起がなされています。

私は内容そのものではなく、それぞれの立場から意見を述べている3人の識者の紹介の仕方に違和感を持ちましたので、取り上げます。

意見を述べているのは以下の3人です。

工藤勇一(横浜創英中学・高校校長)

阿部彩東京都立大学教授)

一川誠千葉大学教授)

工藤氏の意見には「自分でオン 勉強スイッチ」の見出しがつけられ、以下、阿部氏のには「学校開き居場所を作って」、一川氏のには「充実感 自由な時間にこそ」の見出しがつけられています。

それはそれでいいのですが、私が気になったのは、男性2人の専門家を紹介欄に、工藤氏は「1960年生まれ」、一川氏が「1965年生まれ」と入っているのに、女性の専門家の阿部氏のところだけ、生年が書かれていないことです。

私の家では昔から新聞を数紙とる習慣があり、今も朝日のほか、日経、産経、地方紙の4紙をとっています。朝日以外の新聞を読んでいて気になったことはないように思いますが、朝日の場合、男女の識者が考えを述べるような場合、男性には生年を書きながら、女性には書かれていないことが昔からあり、私には気になっています。

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。

今回の場合も、阿部氏から「私の紹介欄は、年齢がわかる表記をしないでください」と求められたのではないと想像します。朝日の側で、何らかの意図を持って生年を省いたのではないでしょうか。

同じような扱いを欧米の新聞が扱うとき、朝日のように、女性だけ年齢不詳にするのでしょうか。確認したわけではありませんが、そのようなことはないように思われます。

朝日は常日頃、男性優位の社会を批判します。ですから、それらの問題を取り上げる時は、「女性を男性と対等に扱え」と要望することがほとんどです。

その朝日が、男女の識者の意見を自社の紙面に載せる時は、男女を対等に扱わず、男性識者だけの生年を表示し、女性識者の生年を伏せるというのは、対等ではないことになりませんか?

同じような不満は、本コーナーで以前に何度か書いたことがあります。それだけ、朝日の紙面では時折、今回のような例があり、それが昔から少しも改まらないということになります。

年齢もその人間が持つ重要な情報です。どの年代の人の意見か知ることが、その意見を発する人間の背景を明らかにすることがあるからです。

こんなことに疑問を持つ私は珍しいのでしょうか。しかし仮の話、ここで紹介されている男女3人のうち、男性の生年が伏せられ、女性の阿部彩氏の紹介欄にだけ「1964年生まれ」とあったなら、疑問を持つ人が少なくないはずです。

この記事を担当した記者や編集者は、これでは男女を対等に扱っていないことにならないか? と疑問を持つことはなかったのでしょうか。

朝日の同じような傾向は、強者と弱者を扱う場合もよく見られます。根底に持つのであろう、弱者に寄り添う立場を明確にしたいからだろうと思います。

ということは、朝日は未だに、女性を弱者と考えていることにはなりませんか? それこそ、女性を男性と対等に考えていないことの証左となりそうです。

今後も、朝日がこのような表示の記事を載せたとき、男女をどのように扱うか、私は注意深く観察することにします。

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