無駄の中に豊かさが隠れている、かも?

表のメディアというものは、権力を批判するように見えながら、裏では一部の例外を除いてつながっています。

それはある意味当たり前のことです。権力を持つ者がメディアの影響力を利用しているのですから。

今の新型コロナウイルスCOVID-19)騒動は、2001年の9.11テロ(アメリカ同時多発テロ)のときと同じ構造で、全世界のメディアが、全世界の人々の考えを一方向へ従わせるような報道を展開しています。

個人的には恐れる必要のないCOVID-19騒動と考えていますが、そんな考えを持つ者を、表のメディアは”陰謀論者”と決めつけ、秩序を乱すことを警戒します。

彼らが狙う秩序の行きつく先は「新世界秩序(NWO)」で、全人類にCOVID-19に対応すると信じさせたワクチンを接種し、人々の思考や行動も、彼らの望む秩序で保ちたいのでしょう。

こんな考えを持つ世界の支配層の思惑の実現に力を貸すのが表のメディアであることに気がつけば、日夜垂れ流される新聞やテレビに律儀に付き合うのは馬鹿らしいだけです。

それでも、ネットを使う限り、見たくもないネットを通じた思惑報道が目に入ってしまいます。

私はほとんどが情報のために送られてくるメールをチェックするため、Yahoo!にアクセスせざるを得ませんが、そのトップページにある細々としたニュースが、見たくもないのに目に入ります。

そんな雑多なニュースで、このところ目障りに感じるのが、”ホリエモン”こと堀江貴文氏が日々発しているらしい発言を記事にしたものです。

私は見出しだけで、内容を確認するほど暇ではありませんが、それらの多くは、彼がSNSで発したものでしょう。それをわざわざ報道機関が取り上げるのは、それを使って、庶民の考え方を換えようという、ちっぽけな思惑が働いてのことかもしれません。

堀江氏のことはよく知りませんが、私の印象では、合理的な考え方を持ちたい人のように思えます。

そんな堀江氏に欠けている部分があるように私は考えますが、それは何だと思いますか?

私は「教養」であろうと思います。

私が考える「教養」は、ある人にとってはなくてもかまわないことです。

文学や音楽、絵画に映像作品といったものは、ある人にとってはなくても困らないものでしょう。

合理的な考えを持つ人は、上で挙げたようなことは切り捨てがちであるように思います。

本コーナーで以前触れたことがありますが、ネットの動画共有サイトのYouTubeで自分の動画を配信する人で、理系の勉強をした人は、自分の映像や音声に注意を払わない傾向を持ちます。

具体的には、陰謀論的な動画が多い「内海学校」(今はこのチャンネルがなくなりました)の配信者は、映像と音声がお粗末でした。

また、個人医院を経営する若手の医師も自分のチャンネルで動画を配信しています。今は見ることが減りましたが、COVID-19について、自分の考えを述べていました。

そのYouTuberは自分の手元だけを写し、音声で考えを伝えていました。映像表現そのものには興味をあまり持たないたちなのでしょう。

堀江氏の話に戻りますと、彼は世の中の様々なことに口を挟みますが、彼から最近聴いて感動した音楽や、見て感動した映画の話を聞いたことがありません。

彼がどんな絵画を好み、好きな画家が誰か聞いたことがありません。

彼がもしも自分の車を手に入れるなら、ボディの形や色には興味を持たないかもしれません。公道を走れる機能があれば十分で、デザインは必要不可欠とは考えないだろうと想像するからです。

私は車の運転はしませんが、車という道具には興味があります。昨今はSUV車が人気のようです。運転席も高く設計され、運転しやすいという話を聞きます。

個人的な好みとしては、SUVには魅力を感じません。私は車体の低いスポーツカーが好きです。BS朝日の番組「カーグラフィックTV」が少し前に取り上げた「ロータス・エリーゼ」も格好いいと思いました。

よく知りませんが、世界を飛び回っている彼ですから、それらの分野の情報を、現地で直に手に入れることができるでしょう。マスメディアを通さない情報をいち早く伝えてくれたなら、それはそれで価値を持つと思うのですが、そんなことはしてくれません。

彼から発せられるのは、どうしたら合理的に仕事や生活ができるかだけです。

何もせずに海辺で横になり、水平線に沈む夕陽を眺め、とりとめのない考えで時間を過ごすことの豊かさを、もしかしたら彼は知らないのかもしれません。

史上最年少の将棋棋士としてプロデビューし、勝ち続けて話題になったのが藤井聡太七段です。彼の出現と活躍は社会現象となり、新聞やテレビが盛んに取り上げました。

藤井氏を取り上げた新聞の記事で、当時はまだ中学生だった彼に、苦手な科目を訊いています。彼は即座に「美術」と答えています。

成績も悪いと答えていたように記憶していますが、それは彼にとっては逆に誇らしいことのようで、「なんで絵を描くのか理解できない」というように答えていました。

おそらくは藤井氏も堀江氏に通じる合理的な考えをする人なのかもしれません。

藤井氏の場合は一日のほとんどの時間を将棋の手筋を考えることに費やし、同じ結果なら最小手数でそれに達するのを”美しい”と考えているのかもしれません。

考え方の基本にそのような傾向を持つ人にとって、何もない支持体に絵具をつけ、どうなるか自分でもわからない絵を描く行為は、無駄で、理解できない行為に思えてしっても仕方なさそうです。

合理的な考えを持ちがちな人からは、ためになる新書の話は聞けても、読んで面白かったという小説の話を聞くことも少ないように思います。

小説というものも、それを書いた人が頭に思いついたことを文章にして表現したものです。中には理屈に合わないこともあり、AからBへ直線的な線を結びたがちな傾向を持つ人は、うねった曲線に我慢強く付き合うのが苦手だったりするのでしょう。

男は女を殺した。好きだったから_これだけで終わる小説があったら簡潔ですが、味も素っ気もありません。

今日、Yahoo!にあった堀江氏のニュースに次のようなものがありました。

いかにも彼らしい考えです。

無駄なものはスパッと切り捨て、必要なものだけで完結したいのでしょう。

そんな彼ですから、教養に分類されるようなものは一番毛嫌いするのかもしれません。

考え方は人それぞれですから、その人の考えを信じて生きて行けばいいと思います。が、無駄と思えるものに、もしかしたら必要なものやことが含まれているかもしれないことに、少しは気がついて欲しい気がしないでもありません。

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